おはこんハロチャオ~!あなたの目玉をエレキネット!何者なんじゃ? id:yutailang0119 です!
これははてなエンジニアアドベントカレンダー2022 24日目の記事です。
昨日は id:yajimasan の Postfix のサンドボックス環境をローカルに作る でした。
メールサーバー、何もわからない。
今回はWEB+DB PRESSの宣伝をしつつ、執筆事情についてお話します!
- WEB+DB PRESS Vol.121 特集2 「iOS 14最前線」に寄稿しました #wdpress - がんばってなんか書く
- WEB+DB PRESS Vol.116 特集1 「はじめてのトラブルシューティング」に寄稿しました #wdpress - がんばってなんか書く
宣伝
本日 2022/12/24 (土) 発売 WEB+DB PRESS Vol.132 に寄稿しました!
担当は特集2「iOS 16最前線」で、vol. 121に引き続き、はてなで同僚の id:cockscomb id:kouki_dan との共著です。
その中で、id:yutailang0119 は第2章「Swift 5.6/5.7のアップデート」と第4章「新登場! Swift Chartsフレームワーク」の2つを担当しています。
今回も編集長の 稲尾さん に連絡をした流れで、「iOS 16の特集記事を」ということになりました。
ありがとうございます!!!
前回のiOS 14特集との違いは、2022年内発売号での掲載を目指すため、iOS 16 beta期間から執筆が始まりました。
そのため、信頼と実績のある前回メンバー id:cockscomb id:kouki_dan に共著をお願いしました。
WEB+DB PRESSのiOS特集を同じメンバーが担当するのは、初めてのようです。
WEB+DB PRESS Vol.132、どこよりも早い表紙画像です!
— WEB+DB PRESS編集部 (@wdpress) December 7, 2022
オブジェクト指向神話からの脱却、iOS 16最前線、コンテナ化実践ガイドを大特集!12月24日発売です!#wdpress pic.twitter.com/Nvh8dWcFgK
WEB+DB PRESSの書き方
アドベントカレンダーということで、雑誌の特集執筆に興味がある人向けに流れを紹介します。
編集部へのコンタクト
まずは編集部とつながることがファーストステップです。
自分が最初に稲尾さんと知り合ったのは、builderscon tokyo 2017の「WEB+DB PRESS 100号記念特別企画」でした。
知り合いから紹介されて、という流れが多いのではないでしょうか。
WEB+DB PRESSでは持ち込みの投稿も募集しているようですので、詳しくは誌面をご確認ください!
今回はWWDC 22直後の6月中旬に稲尾さんへコンタクトを取りました。
特集テーマ設定
iOS特集は季節性があるトピックのため、おおむね12月か年明けの2月の号で取り上げられることが多そうです。
その他のトピックについては、残念ながら自分が幹事で担当したことがないので、詳しくは語れません。
テーマが決まったら以下を並行して進め、技術評論社での企画会議に備えます。
今回は12月発売号を目指すことになったので、8月下旬の企画会議で採用が決まりました。
無事に採用が決まれば、執筆のスタートです。
原稿以外の要素決め
特集を完成させるには、原稿以外にもやることがあります。
以下は執筆スタートから準備を始めます。
- 特集タイトル
- キャッチコピー
- デザインモチーフ
特に特集タイトルとキャッチコピーは、掲載予定の前の号に予告として掲載されるため、早めに用意が必要です。
デザインモチーフは、抽象、具体なんでもオーダーできるとのことでしたが、特集テーマに沿って決めています。
2022年のAppleホットトピックは「iPhone 14 Proの常時点灯ディスプレイ」ということで、「ひまわり」で依頼しました。
他の候補は Dynamic Island から「南国の島でリゾート」だったり。
後から突っ込まれたんですが、12月のクリスマス時期発売で、夏っぽいモチーフ...
vol.121のiOS 14特集のホットトピックはAppleSoCだったので、「シリコン感のあるリンゴ」で依頼しました。
原稿執筆
原稿執筆のスタートです。
草稿
まずは1ヵ月程度で草稿を作ります。
体裁の確認が主目的のため、完成している必要はありませんが、特に初めて執筆にチャレンジする人はできるだけ進めておいた方がよいです。
また、共著の場合は各人の癖を把握する期間でもあります。
計画したページ数通りに進行しないこともあるため、ページ数の融通は草稿の段階で相談したいですね。
今回は経験メンバーをそろえていたので、9月下旬をターゲットに、緩めに意識しながら進めました。
完成原稿
あっという間に完成原稿です。
全章を通して一通り執筆を完了させます。
ここは気合いあるのみですが、どんどん文字を書くのは楽しくなってきます。
今回は10月上旬が目標設定でしたが、1週間強遅らせてもらいました...
すみませんでした!!!
あっという間と言っても、実はまだまだ折り返し...
完成原稿(最終)
完成原稿を簡易レイアウトにはめ込んだPDFを準備してもらえます。
この時点で普段見る雑誌の形式になっていて感動します。
簡易PDFと元データをもとに、以下の作業をします。
- 自身、相互にレビュー
- 分量調整
- 図の表示確認
- 文章のブラッシュアップ
- コードブロックの整形
- サンプルコードの準備
- and more...
対応すべき項目はすべてissueに用意してもらえます。
おそらく、ページ想定の分量よりも多くなっていることが多いでしょう。
編集担当の忙しさにもよりますが、依頼すると簡易PDFを更新してらえます。
分量調整を始めとして細かな作業が続き、この期間が毎回たいへんです。
完成原稿から最終まではおよそ1週間ですが、今回は自分が遅れる側でした...
校正
編集部校正、校正対応、PDFゲラ、著者校正完了、念校完成と進行します。
著者校正からはGitHubリポジトリに変更していく方式から、Adobe Acrobatでオンラインにフィードバックする方式に変わります。
校正の段階からは、簡易ではなく発売されるレイアウトに入った状態を確認できます。
レイアウトには、前述で依頼したデザインモチーフもあしらわれていることでしょう。
発売されるレイアウトに厳密に調整ができる反面、ある程度の枠組みが確定するため、大きな変更はしづらくなります。
変更自体のレビューもしづらくなるので、GitHubリポジトリの段階で調整の必要がなくなる心づもりで進めましょう。
今回はなんだかんだと、11月まで続きました。
校了
ついに校了です🎉
印刷所に入稿され、あとは発売を待つのみ。
お疲れさまでした!!!
合計作業時間
今回はPixelaに記録しておきました。
Total: 111 hour Max: 7 hour Min: 0.5 hour Avg: 2.47 hour Total Pixels: 45 pixels
以上、執筆の流れを詳しく紹介しました。
そんなこんなで雑誌が完成して、紙版、電子版がみなさんのお手元に届きます!
謝辞
前回に引き続き、一緒に書いてくれた id:cockscomb id:kouki_dan のお二方、ありがとうございました!
編集長の 稲尾さん をはじめとした編集部の皆様、今回もありがとうございました!
最後に
本日 2022/12/24 (土) 発売 WEB+DB PRESS Vol.132 を、よろしくお願いします!
Amazoneでの購入はこちら
アドベントカレンダー最終日を飾るのは id:motemen です!
以下、小話
雑誌執筆に関する小話です。
ブラッシュアップ
作業の中で登場したブラッシュアップには、これまでの集合知で作り上げられてきたツールが用意されています。
秘伝のgrepを使うと、冗長な表現が一掃できます。
URLのチェックにはテキストファイル中に含まれるURLが有効かどうかチェックするツールを作った - EagleLandを紹介してもらいました。
また、過去の回でも利用していましたが、textlint/textlintとyutailang0119/action-textlintは必須のツールでした。
ただ、textlintのルール整備が後手に回っていたのは改善したいポイント。
textlint-ja/textlint-rule-preset-ja-technical-writingを使っていますが、WEB+DB PRESSルールに則れていない箇所があるため、専用のルール用意したい。
ツールに限らず、文章の書き方指南が充実していて、これをインプットできるだけでも価値のある経験です。
原稿料と特典
詳細は控えますが、執筆に対して原稿料が支払われます。
我がチームは担当する分量によらず、三等分にしています。
これを海賊スタイルと呼んでいます。
また、掲載号は紙版と電子版両方、それ以降しばらくはどちらかを毎号受け取る特典も付いています。
かなりありがたく、毎号楽しみに読ませていただいています!
学びの機会
本を書くことは時間、労力が大きくかかることです。
前述のリターンが見合うかの受け取り方はさまざまでしょう。
自分は学びの機会を得ることを一つの目標にしています。
毎年、WWDCの内容の9割に目を通すようにしていますが、特集を担当したiOS 14、16の知識が定着している感覚があります。
レビューとして、共著者のアウトプットを最初に読むこともすばらしい特典です。
iOS特集に限ってですが、WWDCの動画をソースにすることも多いです。
自分は担当した章の中でも、以下の動画は何度も見ていたので、話の内容まで覚えるほどでした...
- 第2章 Swift
- 第4章 Swift Charts
学びの機会として、雑誌特集にチャレンジしてみませんか?